自分の要素となったゲームの話① ~ドキドキシルバー~
気づいたらずっとゲームばかりしていた。
ファミコンから現在まで、ずっとだ。
ちゃんとしたゲーム体験はスーパーマリオブラザーズの前あたりからなので、まさにゲーム歴35周年。おめでとう、マリオと俺。
これを機に、考えてみた。
自分に影響を与えたゲームは何だろうか。
ドラクエのようなゲームは語り手もたくさんいるだろうから、今日はあまり書く人がいなさそうなゲームを上げたいと思うんだ。
夢工場ドキドキパニック 1987年 任天堂
↓当時の説明書を書き起こした素晴らしいページ
夢工場ドキドキパニック ~げーむのせつめいしょ(仮)~ (ディスクシステム編)
いわゆるスーパーマリオUSAである。
しかし初出はこちらであり、僕もこれをプレイしたのでどうしてもこれ。この80年代臭いタイトルに心ときめく。
僕の中でこのゲームはスーパーマリオではなく、アラビアンナイトっぽいテイストのアクションゲーム、『夢工場ドキドキパニック』である。
確か晴海でやっていた夢工場のイベントに行った記憶もあるが、そこで買ったのか、書き換えして手に入れたのかは良く覚えていない。
・心に残っている点
おそらく生まれて初めて、全てを遊びつくしたゲームだ。
ランプでマップの裏側に行ける(というか反転したマップが一時的に現れるというか)というアイデアがとても面白く、隠しルートやハートを探すためにランプを持って行けるあらゆる場所で裏側に行って探索した。
全キャラで全ステージをクリアした。
何回もトライして、謎を解いていく快感があった。
キャラクターの性能が違うため、苦手な個所をどう乗り越えるかで苦心した。
マップが全部埋まった時の達成感は、おそらく死ぬまで忘れないだろう。
シルバー事件 1999年 グラスホッパー・マニファクチュア
↓これは現在発売されているリマスター版のHP
thesilvercase.com
プレイしたのはPS版。
まず目に付くのは、アドベンチャーゲームでありながら自由なテキストエリアである。
たいてい画面の下半分に固定されていた従来のテキストエリアをやめ、縦横自由、サイズも自由、レイヤーも自在に出てくるテキストがとてもスタイリッシュ。
プレイステーションは2Dも板ポリゴンに描画する仕組みだったはずなので、それで思いついたんだろう。
まずこの点だけで、何か新しいものを作ろうとしたパッションがギザギザに伝わってくる。
それだけではない。
3D空間に置かれた点を移動する独特な移動システムや、進むにつれてわけがわからなくなっていく破天荒なシナリオも相まって、強烈なインパクトを残したゲームである。
・心に残っている点
まずは上にも書いたシナリオだ。
初めは近未来の警察署を舞台としたクライムノベルなんだけど、次第にキャラクターの設定が意外な方向へ上書きされていく。
さらに進むと、さらにおかしな方向へ何重にも上書きされていく。
ゲームが終わるころには、最初と同じ話とは思えないほどに違う設定になっている。
しかも、その意外な展開を作ることへの面白さのパワーが、シナリオの統制を取ったり辻褄を合わせようというチカラを大きく上回っており、壊れそうになるたびさらに大きな爆発を起こして気にならなくするという、ビッグバンスパイラル的な力ずくの展開を何度も体験できる(そんなシナリオのぶっ壊れ方は、清涼院流水のJDCシリーズに近いかもしれない)。
また、場面転換の際に入る「パン・ポン・ピン・ポーン」というSEが素晴らしい。音色、テンポ、音程、そして間の取り方が本当に最高。
場面転換するのか、しないのか。その一瞬に息を飲む。
この人物はこの後まだしゃべるのか?
この展開はまだ続くのか?
先が読めないシナリオだけに、このSEが鳴るのをどこかで待ち望み、またどこかで鳴らないでほしいとも思っている。
ゲーム中おそらく百回以上繰り返されるこのSE。全ての個所で適切なタイミングの調整がされたかのような、シンプルにして最高の効果を生み出している。
続く)