45歳にとってポップンミュージックとは何だったか~45ポ⑥
音ゲーに初めて出会ったのは、初代DDR。その頃20歳の大学生だった。クラブカルチャーに馴染みもなく、ただのゲーム好きな男の子だったので、ダンスミュージックに合わせて身体を動かすのがこんなにも楽しいのかとのめり込んだ。
Butterflyとかドゥビドゥビみたいなサビがポップな曲は楽しかったし、パラノイアには心の底から絶望した。
その後、5鍵ビートマニアやIIDXを経て、ポップンミュージックと出会うことになる。おそらくポップンミュージック4が初プレイだと思うが、はっきりハマったのは5の頃、アニメヒロインを筆頭に今でも記憶に残る曲ばかりだけど、それはきっと誰でも最初の感動を忘れないのと一緒で、みんなそれぞれに心に残るポップンがあるはず。それが私の場合は5。
女の子は 魔法の扉を
叩いて 恋が始まるの
こんな曲に合わせてノリに乗っている男子大学生って、いま思えば相当アレだな。いや、現在同じことしている方がまずいか。
当時感じていたのは、ポップンミュージックはビートマニアよりポップでエモーショナルだなあということだ。グッとくる版権曲に力を入れていたし、歌詞のある曲が多かった(今も)というところも、元々コアゲーマーではなく音ゲーへの入り口としてデザインされた感じがする。
その頃5鍵で好きだった曲もこれ(Jack and Mark Get Busy!)とかDEEP IN YOUだし、演奏に感情が入る方が気持ちいいと思ったんだろうな。
だから、ポップンに復帰してからは「腰が入る曲」がないなあと思っている。今の世代にはきっと刺さっているのだろうから、ボカロもいいと思う。
いや、でもしょうがないよね。45歳だし。むしろ45歳に刺さる曲入れちゃいけないと思うしな。「青臭いメッセージに大人が共感しちゃダメだ」って昔聞いたときに「そんなことねえだろ」って反発したけど、実際年取るとそう思う。
これは別に青臭さを否定しているんじゃなく、むしろすごくすごく好きだったし肯定していたからこそ、大人は退場しなきゃいけないという感覚。その特権は十分に若い人に味わってほしいからだ。
若さはやっぱりエモーションだからだ。
そしてそんなエモーションを与えてくれたポップンミュージックは、本当に最高だった。という話。
(つづく)